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2017年8月 1日 (火)

読み書き日録2017/8/1

加藤尚武著作集第3巻の『へーゲルの「法」哲学』の仮ゲラ印刷+通読+ファイル修正をつづける。加藤尚武マクロの追加も。「8章 エゴイズムと正義の錬金術」読む。
   *
大江健三郎『沖縄ノート』(岩波新書) 読了。この本の最終章「『本土』は実在しない」で大江は、沖縄戦において住民に集団自決を強要した渡嘉敷島元守備隊長の20数年後の「帰還」に対する沖縄人の拒否について異様なほどの筆力で記録している。これがのちに右翼からの大江・岩波裁判のきっかけとなるものだ。そこではさらに、日本軍から追われ米軍に投降を強いられたある老女が米軍の前で沖縄民謡「唐船どうい」トーシンドーイを舞い狂う姿を描いている。大江は書く。
《日本軍に戦火のなかで見捨てられ、そしてついに異様に強大な敵軍のまえに投降しなければならぬ、その絶体絶命の場所で、歌いつつ_¨舞い狂う¨_老女は、そのまま日本軍、米軍をともに拒絶しながら、沖縄の民衆としての自己表現に、すべての情念を燃やしている人間である》
とし、そこからさらに
《沖縄のこの無名の老女と、われわれの間には、容易にこえがたい裂け目が開いているのであり、その深い裂け目の向うで舞い狂っている老女によって、まずわれわれはしたたかに拒絶されていると認めるべきであろう》(217-218ページ)
と。この本との出会いが遅かったそのぶん、ここでの一貫した大江の思想的闘いを継承していかなければならないと強く思う。
   *
榎本櫻湖詩集『Ro``ntgen、それは沈める植木鉢』読みはじめる。これは容易ならぬ作品だ。

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