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2017年3月11日 (土)

読み書き日録2017/3/11

きょうからこの日録を「読み書き日録」と変更します。

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星野太『崇高の修辞学』読みつぐ。
《ロンギノスは、冒頭でこそ崇高なるものに達するための「方法」の必要性を説きながら、実際にはその大部分は語り手の偉大な思考と感情の反響であるとし、それを技術的な次元から切り離そうとするのである。》(47-48ページ)
 星野はロンギノスの『崇高論』という著作の難解さは、このテクネーの扱いにあり、この著作を「不必要に難解なものにし、その議論に混乱を招く最大の要因になっている」と解説している。なるほどそういう本か。
《もっとも効果的な比喩とは、それが比喩であるという事実を隠すような比喩なのだ。》(49ページ、ロンギノスからの引用)
 この定義はすばらしい。
《「ピュシス」と「テクネー」の互恵的な関係によって生じる、_¨言語の根源的なエコノミー¨_の構造》(53ページ)とは詩の理想的なことばのありかたであろう。記憶すべきことばだ。
 第一章「真理を媒介する技術――『ピュシス』と『テクネー』」読了。結論としては――
《真理は、比喩の適切な使用法をはじめとする修辞的な次元によってはじめてそれとして明らかにされるのであり、それなしには出来事の本来的な次元――これこそがもっとも本来的な意味での「ピュシス」である――が開示されることはない。》(57ページ)
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「イリプスIInd」21号、読了。藤井貞和の講演記録など、なかなか充実した内容だ。八重洋一郎の詩「山桜――敷島の大和心を人問はば朝日に匂ふ山桜花」がすばらしい。日米の軍事的癒着と米軍得意の「オフショアー・バランシング(沖合作戦)」つまり敵を叩くのに敵の敵を使うという、自分は手を汚さない(金は出す)策略に使われる日本、そしてすぐその猿まねをして沖縄や南西諸島を使って中国と敵対させる卑怯な日本政府を詩のかたちにした傑作だ。
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「PO」164号に目を通す。商業誌の体裁はとっているが、読むところが少ない。
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日本の民話75『奈良の民話』の初校通読、つづける。吉野(南和)の部29話55ページ。
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Gustave Flaubert: Madame Bovary 第3部Iの章、スミ。
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中島吉弘『梯明秀の物質哲学』の原稿読み+テキスト修正、再開。一括修正もいろいろ。「第一章 物質哲学の深層構造と意義」スミ。ひさしぶりに思弁的な哲学論文を読んだな。
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「詩的現代」第二次20号(荒川洋治特集)に目を通す。主要な荒川論を読むが、全体に荒川への評価が高いのはともかく、文章がひとしなみにゆるい。批評ではなく感想文ばかりではないか。これでは荒川の言語戦略を解明することはむずかしい。冨上芳秀がわたしの実名をあげていろいろ書いている。
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『リルケ全集3 詩集III』の「ドゥイノの悲歌」の「第六の悲歌」と第1節~第3節 の註解を読む。

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