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2017年2月18日 (土)

読書日録2017/2/18

最近はわたしの得意とする(?)分散的読書方式がやや集中的読書方式になってしまっている。さまざまな種類の本を同時多発的に読むという方法が時間がとれなくなってきているせいか、どうしても当面必要な仕事や事情のある本を優先してしまわざるをえず、余裕をもって古典を読む時間がないのである。これではある時期の状態に戻ってしまい、読むべき本がたんに先送りされてしまうだけなのである。ご興味のある方は、わたしが以前、反省をこめて書いた[出版文化再生]ブログの「69 古典を読む悦び」をごらんください。→http://bit.ly/2lU0g71

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マッシモ・カッチャーリ[上村忠男訳]『抑止する力――政治神学論』の原典資料のなかのパウロの偽作とされる「テサロニケ人への手紙」のポイントは以下の通り。――《そしていま、不法の者の出現を抑止しているものがあることはあなたがたも知っているとおりであるが、その者は到来すべき時がやってくれば到来するだろう。じっさいにも、不法の秘密はすでに働いているのだが、それはいまのところ、抑止している者が抑止している。が、それも、厳密に言えば、その抑止している者が取り除かれるまでのことである。そのときには不法の者が出現するだろうが、主イエスはご自分の口から吐く息でもってその者を打ち倒し、来臨の栄耀でもってその者を無力にしてしまわれる。不法の者の到来は、サタンの働きによって生じる。……》(二・七―二・一〇)資料はこの文面の解釈と註解をピックアップしたもので政治神学というものを知るうえで参考になる。
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赤木祐子詩集『チランジア』通読。後半は呪詛のようなことばが並ぶが、年齢のわりには若々しいことばが随処に出てくるのが、おもしろい。
〈終わりに目を凝らすと/えげつないくらい/生きたくなってきました〉(「最終回」)
〈あなたたちの感性で/わたしを見ないで〉(「ぬるい雫」)
〈属している世界の住民であるあなたたちがつまらないせいで/私のせいじゃないよといつも弁解していたっけ〉(「海面の後悔」)
〈明日から歩行のリハビリだ/また違和を味わうのだ 一歩ごとに/踏まれ続けて今度こそ致命傷になるまで〉(「遠い石 近い石」)
〈初めて愛もやってきて/わたしという廃墟に口づけをする/思いあがった王子のように〉(「幸福な廃墟」)
もうこのへんでいいだろう。やっぱりことばに年輪を感じさせるか。断片が鋭いので、これからはもっと全体の構成力を磨くことが必要だ。
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「ミて」137号に目を通す。新井高子の方言詩が笑わせてくれる。石川啄木の短歌を東北弁(ケセン語)に翻訳するという試みを記録しているが、これもおもしろい。それにしても誌名の「ミて」とはどういう意味なんだろう。いちど聞いてみなくちゃ。
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日本の民話74『近江の民話』の初校通読、つづける。湖北の部4話12ページ。湖北の部、スミ。つづいて湖西の部6話24ページ。
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鮎川信夫論の「2 鮎川信夫という方法」の「2─2 〈内面〉という倫理」の3節目を書く。とりあえず14枚ほど。

 

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