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2011年8月

2011年8月30日 (火)

断章4

──先生もなにかぶつくさ書きはじめましたねえ。なにか不満でもあるんで。
「なに、つぶやき道具ってものに少々飽きてきただけよ。なんせ一四〇文字なんかで何が書けるかってことさ。いちいち残りの文字数なんか気にしながら書くなんてのは邪道に決まってるだろ。
──だけど、ブログにしたって字数制限がないだけでしょう。どうせ誰も読まないんだし。
「馬鹿いっちゃいけない。誰も読まないから書けるんだ。いちいち読者なんか気にしていたらツイッターと同じになっちゃうだろが。
──たしかに先生の「日録」は馬鹿がたくさん読んでるようですね。
「だからおまえはわかってないっつうの。ひとのブログなんて読むのはたいていは馬鹿か閑人だろ。書くほうはそうでもないけどさ。それにあの「日録」はブログじゃなくて活動記録、というか備忘メモにすぎないのよ。あれはブログじゃないって何度言ってもひとは理解しないね。
──そんなもの書いてどうするんですか。
「まあ宣伝みたいなものよ。だからこれはひとが読んでくれればそれだけ効果が上がるという仕掛けになっているのに、そう思わずに読んでくれているわけだ。
──まあ、備忘録として、今度の「断章」というのはなんかいちおう文学的な狙いでもあるみたいに見えるけど。
「まあ、おまえみたいなぼんくらに言われるようじゃ焼きがまわったかな。出版業界的な物言いではいささかストレスがたまったからで、頭の悪い連中にはついてこれないような飛躍のある文章が書いてみたくなったわけだ。
──なにか詩壇に文句でもあるんでしょうか。
「そりゃあるさ。惚けの進んだ大家たちと若年寄みたいな連中の集まりだからな。読んでてもちっともおもしろくないし、そんなものを何ごとかのように評価する凡庸な批評にもうんざりだから自分のことばを磨かなければと思うことにしたんだよ。
──そんなこと言って、ひがみ根性が出てきたんじゃないの。
「そんなものはいまさらないさ。昔から評価されたことないもんね、自慢じゃないけど。まあ、とにかく始めたばかりでどこへ行こうか考えている最中だから、あんまり邪魔しないでくれ。あと十回ぐらいはほっといてくれよ。
──わかりやした。そこまで行くかもわからないけど、そのころまたお邪魔にあがりましょう。
「勝手にしろ!

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2011年8月24日 (水)

断章3

小林秀雄のランボー論をダシに使う批評家は
アフリカのランボーについて
その不毛性しか見ることができない
アフリカの毒がまわったランボーは
あやしげな商品を売る砂漠の商人になり
現地の怪しい女と同棲し
母国フランスを呪詛しながら
足を切られて死んだ
このわかりきった不毛には
一筋縄ではいかないどこか解せない秘密がある
『闇の奥』の象牙採りクルツの闇雲な愛
アフリカの裂け目にはどこか狂った情熱をおびき寄せる
肉の論理が走っているのか

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2011年8月22日 (月)

断章2

「われはすべての書を読みぬ」
とうたったフランスの象徴詩人のことばを
真に受けて批判するロシア文学研究者は
世界文学の涯知れなさについて
論理的に語ってみせる
わかっているんだろうね
世界には水平線だけでなく
縦に割れる魔界が存在することを

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2011年8月21日 (日)

断章1

ことばが放たれたがっている
誰のものでもないことばが場所をもとめている
だからこの空間は用意されるのだ

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「思考のポイエーシス」を再開します。

 これまで何度も中断しては再開してきたこのコーナーですが、これで何度目かの再開です。
 今後の予定は論考よりはむしろことばの断片(破片)を継続的に発表します。それは散文なのか、詩(のようなもの)になるのかはやってみないとわかりませんが、なにしろことばの現状を見ていてどうもなにか発言しなければならない気になってきたからです。
 もちろん、(出版)業界的な発言はそれなりにしていますので、そういうものではなく、もっと個人的、もしかすると文学的なことになると思います。
 従来の「思考のポイエーシス」の連番的な論考ふうの文章とは別のタイトルが必要になるでしょうが、未定です。とりあえず「断章」としておきます。

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